平成27年3月10日国土交通省は平成27年1月の建設受注動向を発表した。
その内容は、地域や会社の規模によって明暗が分かれている事が顕著に見られた。
資本金3億円以上の大企業の受注は、「前年同月比2ケタ増」とした。一方で資本金1,000万円未満の零細企業の受注は「前年同月比2ケタ減」個人事業主に関しては「前年同月比▲77%減」と事業規模による格差は広がっている事がわかる。
「地域別」 ※カッコ内は前年同月比%
全国=5兆4,802億円(10.2%)
北海道=1,644億円(54.4%)
東北=2,442億円(0.9%)
関東=2兆7,306億円(19.4%)
北陸=2,025億円(▲14.9%)
中部=5,258億円(16.3%)
近畿=9,438億円(▲4.9%)
中国=2,402億円(15.4%)
九州沖縄=3,460億円(▲5.2)
関東や北海道、中部、中国地区での受注は増加の一方で北陸地区は2ケタ減と新幹線工事が終わった事による反動減と見られる。また、近畿や九州沖縄地区でも微減となっている。
やはり、関東地区の需要が突出している事がわかる。
「都道府県別上位」
1位 東京=2兆306億円
2位 大阪=7,210億円
3位 愛知=2,967億円
4位神奈川=2,415億円
5位北海道=1,644億円
「都道府県別ワースト」
1位鳥取=82億円
2位秋田=134億円
3位高知=141億円
4位山梨=158億円
5位徳島=162億円
「関東の状況」
茨城 | 481億円 | ▲ 10.7 |
栃木 | 459億円 | ▲ 1.4 |
群馬 | 656億円 | 31.0 |
埼玉 | 1214億円 | ▲ 0.2 |
千葉 | 947億円 | 26.6 |
東京 | 2兆0306億円 | 17.6 |
神奈川 | 2415億円 | 68.1 |
「企業規模別」
個人 | 3,8億円 | ▲ 77.4 | |
~1千万円未満 | 2341億円 | ▲ 13.6 | |
1千万~3億円未満 | 2兆6465億円 | 2.8 | |
3~20億円未満 | 6191億円 | 18.6 | |
20億円以上 | 1兆9765億円 | 24.6 |
個人や資本金1,000万円未満の零細企業が大きく減少。資本金1,000万円以上3億円未満は横ばい。資本金3億円以上の大企業は2ケタ増と格差がある事がわかる。
なお、大企業はスーパーゼネコンが受注に乗り出さない規模の受注を東京など需要がある地区で得られている。地方の零細企業は需要がある地区に行けず、地元での受注活動が主体で住宅着工の低迷による影響が大きい。